MacBookの値段が下がりづらいという話

Macbookは他のPCと比べて値段が落ちにくい(中古で売っても高く売れる)と言われていますが、
実際のところ年間いくら価値が下がるのかを中古市場の価格推移から計算したいと思います。

集計条件

  • 情報源
    • Yahooオークションの取引履歴
  • 集計機器
    • MacBookPro 2016 Late 以降のモデル(Type-C搭載モデルから)
  • 集計期間
    • 2015年6月 ~ 2019年11月までの取引
  • 抽出条件
    • 取引価格20,000円以上
  • データ収集後のフィルタ条件
    • ジャンク除外
    • 出品タイトルに型番、CPU、メモリ、SSD容量を含むもののみ

取得した取引数は約64,000件となり、 上記フィルタに合致したのは、約2,000件となりました。
今回はこの2,000件を集計しています。

ばらつきについて

同じ型番の取引でも「オプションガジェット付き」だったり、傷の有無など価格に影響する要素が多数あり取引が同一条件ではありません。
傾向を分析するという意味で簡単なクレンジングはしていますが、プロットにばらつきがあるのは許容しています。

取引回数

各スペックと取引回数の表になります。2016年モデルはメモリ8G,SSD256GB、2017年モデルはメモリ16GBSSD128GBモデルの取引が多いことがわかります。
どちらもその年のモデルの中で最安値モデルなので、安いモデルが一番市場に出回っている事がわかります。

価格推移

価格推移については長期的な視点で確認するために、 十分な期間が経っているMacBookPro2016 Late モデル(集計時点で発売から3年経過)で分析しました。

一言にMacBookPro2016 Late モデルといっても、
13/15インチ、TouchBarあり/なし、メモリ、SSD、CPUなど様々な違いがあります。

ここでは一番大きな違い(公式のモデル区分)である、3タイプで分類しています。

  • 13インチ2Port(TouchBarなし)
    • TouchBarが無く、CPU,GPUがTocuhBarモデルよりもグレードが低い。
  • 13インチ4Port(TouchBarあり)
  • 15インチ4Port ※15インチにはTouchBarなしモデルは存在しない

モデル別取引価格推移

取引日と取引価格をプロットすると、予想通り発売日から日が経つにつれて取引価格が徐々に下がっていることが確認できました。
下がり方が直線的(1次関数)のように見えるので、さらに近似式(直線)を書いています。

線を引くとモデルによって傾きが違うことがわかります。この傾きが大きいほど、値段の下がる速度が早いことを表します。
以下の図では、13インチ2Port(TouchBarなし)が一番傾きが小さく、15インチ4Port が他と比べて値下がる速度が早いことがわかります。

値下がりの速度(傾きの大きさ)ですが、MacBookPro 2016 Late の場合は

  • 13インチ2Port(TouchBarなし)
    • 45円/日(16,425円/年)
  • 13インチ4Port(TouchBarあり)
    • 77円/日(28,105円/年)
  • 15インチ
    • 90円/日(32,850円/年)

という結果になりました。 これは、一日後には価値が45円下がっているという意味であり、
家にあるPCを売ろうとしたとき、一ヶ月待つと価値が1500円〜3000円ほど下がっているということになります。

モデル/メモリ別取引価格推移

同様にメモリ、SSDのスペックの違いによる価格推移を見てみます。

メモリ別価格推移

メモリを増設すると傾きが大きくなる(値下がる速度が上がる)ことがわかりました。
これはメモリだけではなく、SSDやCPUでも同様の傾向が確認できました。

取引の傾向

「新モデルが発表されると旧モデルが売りに出される」という仮設を検証するため、各モデルの取引数をグラフにしました。
2017年モデルが発売される直前に、2016年モデルの取引数が増えていることがわかりますが、他の年ではそこまで顕著な増加はないように見えます。
相関など出してみるとなにか傾向が見えてくる可能性があります。

まとめ

MacBookProの中古市場の値下がり傾向を調査しました。毎年一番安いモデルが多く市場に出回り、高スペックモデルになればなるほど、値下がる速度は早くなることがわかりました。 MacBookPro 2016 Lateの場合、値下がる速度は下記に示す値であり、2019年モデルなどでも同じような傾向になることが予想されます。

MacBookPro 2016 Lateの中古市場の値下がりスピード

  • 13インチ2Port(TouchBarなし)
    • 45円/日(16,425円/年)
  • 13インチ4Port(TouchBarあり)
    • 77円/日(28,105円/年)
  • 15インチ
    • 90円/日(32,850円/年)

この結果から、「MacBookは一番価値が下がりづらい最安値モデルを買えばいいんだ」と思うのは早合点です。
低スペックモデル(最安値モデル)と高スペックモデルでは値下がる速度が年間16,500円ほどの差がありますが、PCの処理スピードが違うので仕事の速さも変わってきます。 「毎日PCを触る人 or 重い処理をする人なら年間16,500円の違いで効率が変わるので、高スペックを買ったほうが良い」、 逆に「ほとんど触らない or ブラウジングしかしないという人であれば、最安値モデルが良い」ということが自分の時間単価と比較して数値から判断できそうです。

おまけ:テキストマイニング

オークションに出品されている出品タイトルをテキストマイニングしてみました。 いままでのフィルタ条件をなくし、“MacBook Pro"というタイトルを含む20,000円以上のオークションの取引をランダムでサンプリングしています。

以下サイトで簡単なテキストマイニングは無料でできます。

https://textmining.userlocal.jp/results/po6BjaLStAW6TDi1txdDpNpFpJAcQDwu

ワードクラウド

スコアが高い単語を複数選び出し、その値に応じた大きさで図示しています。 単語の色は品詞の種類で異なっており、青色が名詞、赤色が動詞、緑色が形容詞、灰色が感動詞を表しています。

単語出現頻度

文章中に出現する単語の頻出度を表にしています。単語ごとに表示されている「スコア」の大きさは、 与えられた文書の中でその単語がどれだけ特徴的であるかを表しています。 通常はその単語の出現回数が多いほどスコアが高くなりますが、 「言う」や「思う」など、どの文書にもよく現れる単語についてはスコアが低めになります。

共起キーワード

文章中に出現する単語の出現パターンが似たものを線で結んだ図です。出現数が多い語ほど大きく、また共起の程度が強いほど太い線で描画されます。

2次元マップ

文章中での出現傾向が似た単語ほど近く、似ていない単語ほど遠く配置されています。距離が近い単語はグループにまとめ、色分けしています。

階層的クラスタリング

文章中での出現傾向が似た単語をまとまりとしてとらえられるよう樹形図で表したものです。グループは色分けして表示しています。

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